ショックについて

今回はショックについて確認していきましょう。

ショックとは?

血液の循環に何らかの障害が起きて組織に十分な血液が行きわたらなくなった状態(急激な全身性末梢循環不全)のことです。

細胞が正常な機能を営むことができなくなり、適切な処置を行わないと重要臓器が障害されたり死に至ったりすることもある重篤な状態です。

ショックが起こる原因は?

ショックが起こる原因は、循環血液量が減る場合と減らない場合の、大きく2つに分けられます。後者はいろいろな異常によって血液がうまく流れなくなるため、ショックが起こります。

循環血液量の減少によるショック

わかりやすい例は大量出血です。出血が起こると心臓に戻ってくる血液が少なくなります。そのため、全身に送り出される血液も減少し、血圧が低下します。その結果、末梢の血流が減少して酸素欠乏をきたします。

出血以外には、広汎な熱傷や大量の嘔吐でも、体液の喪失によって循環血液量が減少し、ショックが起こります。これらを「低容量性ショック」といいます。

血液量が減らないのに起こるショック

①心臓の機能障害によって生じる「心原性ショック」

②血管が閉塞して心臓あるいは肺動脈などの大血管から血液を送り出せなくなって起こる「閉塞性ショック」

③血管の急激な拡張によって血圧が低下して生じる「血液分布異常性ショック」

④感情の動揺や痛みによって起こる「神経原性ショック」

心原性ショック

血液は、心臓がポンプの働きをすることによって全身に送り出され、末梢組織に酸素や栄養分を運んでいます。心筋梗塞や心タンポナーデによって心臓のポンプ機能が障害されると、十分な血液を送り出すことができなくなってショックが起こります。

このような、心機能の低下によって起こるショックを、心原性ショックといいます。

閉塞性ショック

主要な動脈が血栓や塞栓、あるいは外部からの圧迫などによって閉塞され、血液循環が妨げられるために起こるショックです。代表的なものが肺動脈血栓症です。

例えば、飛行機に乗っている時など長時間同じ姿勢で座っていると、血流の緩やかな静脈に大きな血栓ができます。これが流れていって肺動脈の太い枝を塞ぎ、循環不全が起こるのです。

血液分布異常性ショック

末梢血管が拡張するとそこの容積が増え、血液が多く集まります。すると血圧が下がり、血流が悪くなります。

アナフィラキシー・ショックや、エンドトキシン・ショックが、このタイプです。

アナフィラキシー・ショック、エンドトキシン・ショック

食物や薬剤などによる即時型の全身性過敏反応(アナフィラキシー)では、アレルゲンが侵入すると肥満細胞からヒスタミンが放出されます。ヒスタミンには血管を拡張させ、血管透過性を亢進させる作用があるため、ショックが起きます。

エンドトキシン・ショックは、虫垂炎や潰瘍などによって腸壁に穴が開いたり、薬の副作用で腸管の粘膜が傷ついたりした時に、腸内にいる細菌や、その一部が血液中に入ると起こります。

エンドトキシンはグラム陰性桿菌の細胞壁の一部です。これが血液中に入ると、マクロファージなどの炎症細胞からサイトカインが放出されます。その結果、一酸化窒素やプロスタサイクリンなどの血管拡張作用を持つ物質が生じるため、ショック状態になります。

神経原性ショック

外傷などによる脊髄損傷や脊髄麻酔などで血管の収縮に関わる交感神経のはたらきが低下することによって、血管が拡張して血圧が下がり、ショック状態になるものをいいます。

ショックはどう進行するのか?

ショックは、適切な治療を行って原因を除けば回復可能な「代償期」と、後遺症を残したり、最悪の場合は死に至ったりすることもある「非代償期」の2段階に分けられます。

代償期

代償期には、身体が代償機能を使い、血管を収縮させてや心臓などの生命の維持に欠かせない臓器に血液を集め、心拍数を増加させて血圧を上げようとします。

各組織がダメージを受けていないこの時点で、出血などのショックの原因を取り除ければ、回復可能です。

非代償期

末梢の循環不全が進行した非代償期に移行すると、低酸素によって血管の内側の細胞(内皮細胞)が損傷を受けます。すると血漿が血管外に漏れ出し、その結果、血圧がさらに低下して低酸素による組織のダメージが進行し、これがまた血漿の血管外への漏出を招くという悪循環が繰り返され、多くの重要臓器の機能が障害されて重篤な後遺症を残したり、死に至ったりしてしまいます。

ショックによる重要臓器の機能の障害は何が起こるのか?

ショックによる重要臓器の機能の障害として、まず1つめは血液凝固の異常(DIC)です。組織や内皮細胞が傷害されると、血管内に多数の血栓が形成されます。その際に大量の凝固因子が消費され、また線溶系が活性化することによって出血しやすくなります。

また、いつも酸素をたくさん使う腎臓はショックに弱く、しばしば急性腎不全(急性尿細管壊死)が起こります。

肺では、血管から漏れ出た血漿中の蛋白が肺胞の内側に膜を作り、急性呼吸不全(成人呼吸促迫症候群:ARDS)が起きます。

DIC(播種性血管内凝固)

いろいろな原因で全身の血管内で血液凝固が亢進すると、多数の微小血栓が形成されます。その結果、梗塞による多臓器の機能不全と、凝固因子の消費と線維素溶解系の活性化による出血傾向をきたす病態を、DIC(播種性血管内凝固)といいます。

ショック以外にDICを起こしやすい基礎疾患としては、白血病(特に急性前骨髄性白血病)、癌、重症の感染症、前置胎盤早期剥離などの産科疾患があります。

ショック状態の患者さんに遭遇した時は?

ショックの代表的症状

・血圧低下(収縮時血圧90mmHg以下)

・顔面蒼白

チアノーゼ

・脈拍減弱

頻脈

・虚脱(無欲、無関心、意識障害

・呼吸不全

尿量減少

・体温低下

・冷汗

などです。これらの症状を発見したらショックを疑い、速やかに適切な処置につなげなくてはいけません。

まず行うことは6つ

患者さんを観察して緊急度が高いと判断したら、以下の6つを行いましょう。

①応援要請

②ドクターコール、救急カート、AEDを依頼

③酸素投与

④モニターの準備(SpO2、心電図)

⑤静脈路を確保し、輸液負荷や薬剤を使用できるように準備

⑥呼吸、循環動態の著しい機能低下の場合はBLSを開始

独りでできることには限りがあるため、最初に応援を呼び状況を伝えます。

※その際の報告は、「5W1H」や「SBAR」などの方法を使用して、簡潔明瞭に伝えましょう。

それぞれの対応

治療はショックの分類によって異なります。

ショックの原因が分かればショックごとの治療が行われます。

循環血液量減少性

輸液、輸血、止血処置、イレウス管留置など

血液分布異常性

輸液、抗菌薬、感染源除去、アドレナリン筋注、ステロイド

心原性

再灌流療法、強心薬、抗不整脈薬、経皮ペーシング、弁置換などの心臓血管外科手術

心外閉塞、拘束性

血栓溶解薬、心嚢穿刺、心嚢ドレナージ、胸腔穿刺、胸腔ドレナージ

ショックは臨床現場ではよく遭遇する急変であり、緊急度の高い病態です。

各ショックの特徴をおさえて、緊急時の対応とその先の治療を見据えた行動がとれるようにしておきましょう。

看護師転職!きっと見つかるあなたに合った職場!

「人の役に立ちたい」

「こんな優しい看護師さんになりたい」

そんな憧れと希望をもって、念願の看護師に!

けど、せっかく看護師になったのに、いい話を聞かない。

「1年目ってしんどいって聞いてたけど、こんなにもしんどいの?」

「なんであんなにガン無視?分からなくても聞けやしない・・・」

「奨学金の縛りがなければ、今すぐ辞めてやるのに」

「今日の夜勤、最悪。このシフト見るだけで吐きそう」

現実はラクではないことは分かっていたけど、乗り越えれるのかな?

このつらさ、しんどさ・・・

どうしてもストレス過多の職場です。

人の命を目の前にした仕事で、厳しくしなければならないけど。

周りの人もストレスを溜め込みがち。

その積み重ねは、時にパワハラとして人間関係に表れてしまいます。

そうこうしている内に考えてしまうこと。

(看護師、辞めようかな・・・)

(私には、向いていなかったのかな・・・)

けど、本当は「看護師を辞めたい」ではなくて、

「この職場を辞めたい」ではないですか?

辞めたい理由でよく見かけるのが、

①職場の人間関係

②緊張と責任が長時間続く仕事で、精神的にしんどい

③不規則な勤務と長時間労働で、身体がしんどい

④看護師に向いていなかった

でも辞める理由をよくよく考えると、ミスマッチかもしれません。

人それぞれ好みも性格も違うし、得意不得意も異なります。

『もしかすると自分に向いていない職場だったのかも?』

決して看護師の仕事が向いていなかった訳ではなくて。

『自分の適正に職場が合っていなかった』

こう考えると、少し考え方が変わってくるかもしれません。

気持ちがラクになるかもしれません。

あんなにつらい実習を受けて、長時間勉強して突破した国試。

看護師に向いていないはずがありません。

『自分の適正に合った職場を探してみませんか?』

看護師資格を活かして、働ける職場はたくさんあります!

今回紹介するのは、

介護老人保健施設

です。

≪仕事内容≫

介護老人保健施設はリハビリを行い、入所者が自宅に帰ることを目的とした施設です。

「退院できることになったけど、すぐに自宅で過ごすのは不安・・・」

そういった入所者の不安を、医師・看護師・セラピスト・介護士など多職種が連携して、自宅で生活できるよう支援していきます。

看護師の仕事としては以下の業務があります。

①入所者の健康管理

②医療行為(経管栄養、喀痰吸引、点滴、インスリン注射、皮膚トラブルの処置)

③服薬管理・介助

④医師の診察補助

⑤カンファレンス

⑥ターミナルケア

⑦多職種との連携

≪介護老人保健施設に向いている人≫

病院と違って施設であるため、「治療の場」ではなく、「生活の場」です。

そして退院までの期間と比べると、入所者との付き合いは長くなります。

病院よりも入所者の年齢は高い傾向であるため、「高齢者が好き」でないと仕事を続けていくには難しいかもしれません。

他にも看護師だけの仕事だけでなく、介護士のサポートは欠かせません。食事や排泄の介助を行ったり、食事の配膳や下膳も行うことだってあります。

「こんなことをしたくて看護師になったんじゃないのに・・・」

と感じる場面もあるかもしれませんが、入所施設で多職種と連携して幅広い仕事を受け入れることができなければ、適正の違いを感じてしまうかもしれません。

これまで病院で経験したことを医療面から多職種に発信し、連携していく。そうして高齢者ケアの知識を、より深めたいと考えている人に向いている職場です。

大切なのは、

入所者の生活の質を高めること!

です。

≪病院との違い≫

介護老人保健施設には入所者100名に対して1名の医師の配置が義務付けられています。医師は1名だけのため、病院と比べるとコミュニケーションを深めやすいでしょう。また、病院ほど急変が発生することは少なく、入所者と深く交流の時間を持つことができます。

「生活の場」であることから治療を目的とした支援ではなく、その入所者の人生を見つめていくことで、自宅に帰るために何が必要なのかを多職種と連携して支援できることが楽しみの1つでもあります。

半面、病状が安定していることが入所できる条件とされているため、医療従事者として多くの症例や、治療技術を磨くには物足りないかも。

≪介護老人保健施設で働いてみると・・・≫

たった30~60分程度の面接や見学では、実態は分かりません!

実際に働いてみて感じることは・・・

①医師と合わなくて退職!?

医師は施設長として、施設運営を任せれています。医師は1名だけなのでコミュニケーションをとりやすいはずですが、なかなか「コミュニケーションが得意」な医師ばかりではありません。看護師として指示を仰いでも、

「いつも見当違いな答えばかりで困る・・・」

「もう施設ではムリなのに、なかなか受診の指示が出ない・・・」

医師は1名だけのため、時にワンマンな医師も存在。

こんな繰り返しで、「もうこんなところで、働けません!」といったケースも。

②総合診療の難しさ

介護老人保健施設では1名の医師が、100名の入所者を診ていきます。専門が耳鼻科、精神科であった医師が施設長であることもあります。これまで担当してきた病棟で、専門的な経験をしてきた看護師にとっては、医師の診断や指示に疑問を抱くこともあるかもしれません。

国としては介護老人保健施設で行えることは、医師の指示に基づき処置・治療をすることを推進しています。軽度の肺炎や尿路感染が疑われる場合は、施設で点滴・投薬治療を行います。

しかし、時に軽快しないと「受診が遅れた」と入所者の家族からクレームを受ける可能性もあります。

③介護レベルに疑問を感じてしまう

介護難民といった言葉ができてから、国は施設を増やしてきました。しかし残念ながら、ハードに対してソフトが追いついていないのが現状です。

施設運営を継続していくためには、安定した入所者からの介護報酬が欠かせません。空きベッドを数多く作る訳にはいかないため、入所者を増やします。

すると職員が足りなくなります。足りない職員を補おうとすると、やむを得ず頭数をそろえなければシフトも満足に組めないため、結果として介護レベルがなかなか上がりません。

長らく医療現場の第一線で仕事をしてきた看護師にとっては、介護レベルや観察ポイントのズレにいら立ちを覚えることもあるかもしれません。

④看護師VS他職種

「多職種が連携して1人の入所者をサポートする」

それぞれの専門職ならではの意見を交えて、入所者の自宅へ帰ることをサポートする。

とてもすばらしい考えです。

しかし専門職だからこそ譲れない考えや、相手の意見に対して聞く耳を持ってくれないことだってあります。

「そんなことをしていたら、現場が回らない!」

「ここは病院ではなく、施設です!」

意見の食い違いによる険悪なムードは、入所者にとっても不幸なことです。

『入所者にとって、何が一番大切なのか?』

そうした話し合いをするために、介護老人保健施設では専門職が数多く配置されています。

⑤ターミナルケアの尊さ

病院で働いている時とは違った感情を経験するかもしれません。

それが「看取り」です。

介護老人保健施設では、自宅に帰るためのリハビリをするところという役割と、施設で最期の時を迎えるターミナルケアの役割も担っています。

これまで様々な思い出が振り返られる看取りに寄り添うことで、病院では経験しなかった家族からの感謝の言葉を聞くことがあります。

入所者にできること

入所者が喜んでくれること

家族の気持ちを形にすること

ターミナルケアでは家族と一緒になって、施設全体で終末期をサポートしていきます。

その一体感は経験した者だからこそ分かることです。

≪最後に≫

介護老人保健施設で働く職員は、いろいろな意味で幅広い人たちが働いています。

もう60歳になろうとしている元コンビニの店長。

高校を卒業したばかりの若い人。

工場で配電盤を作っていた人。

長距離ドライバーだった人。

ミュージシャンを志していた人。

病院と違って医療機関で働くために、勉強や試験に合格した人ばかりではありません。

どうしてもスキルもレベルもバラツキが出てしまいます。

医療従事者から見ると、目に余ることも多くあることでしょう。

看護師として業務を行っていく以外に、大切なことがあります。

それは、

『看護師だから伝えられること』

医学的な根拠やこれまでの貴重な経験に基づいて、時に協力し、時に指導する。

転職して介護業界の門を叩く人たちが多いのが実態です。

施設において様々な研修や委員会の開催が義務付けられていますが、各職員のスキルアップには時間が必要です。

その教育といった施設運営の大切な一翼を担うことも、看護師としての役割です。

分娩に関わる疾患(妊娠高血圧症候群)

silhouette photo of a mother carrying her baby at beach during golden hour

今回は上記テーマに基づいて、産科病棟特有のことについておお伝えしていきたいと思います。

産科分野に関係のない方でも、特に女性の方は一生の中で妊娠~分娩に関わることもあるかもしれません。

産科分野は他の科と違って業務も異なることが多い分野だと感じています。なかなか関わることのない分野でも少しでも知っていただけると嬉しいです。

まずは、

Ⅰ.分娩に関わる疾患(妊娠高血圧症候群)についてです。

妊娠期の中でも多い疾患なので、今回この疾患を選びました。

妊娠前や妊娠初期は血圧が高くなかったのに、妊娠の途中から上がり始め140/90mmHgを超えてくるのが妊娠高血圧の典型です。

妊娠末期に近づくほど起こりやすくなります。

少しずつ、あるいは急に血圧上昇がひどくなるので、早く発症するほど最後は重症になりやすく、赤ちゃんにも悪影響が出やすくなります。

妊娠高血圧になると何が危険か

・妊娠高血圧になった場合には、まず「脳出血」のリスクがあります。

ご高齢ではないので簡単に脳出血は起こりませんが、脳動脈瘤や脳動静脈奇形がある人(自分にあるのかは知らないのが普通です)の血圧が上がると、くも膜下出血などの脳出血を起こしやすいことが知られています。

・妊娠中は妊娠高血圧にともなう特有の病気である「子癇(しかん)」(意識消失と痙攣の発作)のリスクとなり、血圧が上がってぽこっと胎盤が剥がれてしまう常位胎盤早期剥離も半数は妊娠高血圧の妊婦さんに起こるリスクの一つです。

・妊娠高血圧では胎盤機能が低下し、胎児への酸素や栄養の供給が低下して、胎児発育不全や胎児低酸素が起こりやすくなります。母体だけではなく胎児の状態も悪くなります。

重症にならずに正期産期まで経過でき、胎児も発育が不良にならずに状態が悪くならなければ妊娠を続け外来で経過観察ができます。

正期産期に入ったら、妊娠高血圧がある場合は少し早めの分娩を検討します。

重症度により急いだり待機したりしますが、軽症でも予定日を過ぎない程度の時期までの分娩が勧められています。

話だけ聞くと怖い疾患ですが、妊娠中から分娩後まで血圧の管理をしっかりと行っていくことが何より大切になります。

次に、

Ⅱ.母乳の利点についてです。

妊娠後期になり、出産後の育児が現実的になり始めると、赤ちゃんの栄養についても考え始めます。

最近のミルクは母乳に近い成分、といったものが多く、以前のものに比べて品質も良くなっています。

しかし、『出るなら母乳がいい』という方が多いのは事実です。なので、少し母乳の良いところについてお伝えできればと思います。

今回は、普段授乳の介助をさせていただいている経験から、母乳とは、というものについてお伝えしていきたいと思います。

母乳は赤ちゃんにとって良いものだ、というのは良く耳にされるかもしれません。では、実際に何がいいのかをいくつかの項目に分けて少しお話させていただきます。

病気から赤ちゃんを守る

出産から間もなく分泌される母乳を初乳といいますが、初乳の中にはIgAという免疫物質が多量に含まれています。

初乳中のIgAは赤ちゃんの口から入り、胃や腸の粘膜に広がり、細菌やウイルス、アレルギーの原因となるタンパク質の侵入を防いでくれます。

初乳は2週間くらい出続けていますので、これを飲んでもらうことは赤ちゃんにとって大きなメリットになります。

消化吸収がいいので胃腸に負担が少ない

自然なスキンシップがとれる

母乳育児はより自然な形でスキンシップができます。

おっぱいをお母さんの胸から直接飲むことでお母さんの肌の温度や心臓の鼓動が伝わり、これが赤ちゃんにとって安心感となります。

お母さんの体の回復が促される

出産後子宮が収縮することによりお母さんの体は回復に向かいます。

この子宮収縮に関係しているホルモンがオキシトシンと呼ばれるホルモンです。

赤ちゃんにおっぱいを吸ってもらうことでオキシトシンが分泌され、子宮収縮が進んでいきます。

また、母乳を飲ませると、プロラクチンという母乳分泌に作用するホルモンがたくさんお母さんの体に生じます。

このプロラクチンは別名「母性化ホルモン」や「愛情ホルモン」とも言い、母性を作る大切なホルモンです。

また授乳中のお母さんは夜何回も起きなければならないのに、昼間は意外と元気です。

これもプロラクチンの働きで、お母さんが極めて効率のいい体質になっています。

細切れの睡眠でも十分体力が維持できるようになっています。

以上、母乳の利点について、でした。

次に、

Ⅲ.陣痛・破水についてです。

陣痛と破水に分けて、特徴と入院の時期をお伝えしていきたいと思います。

陣痛について

まずは、産婦人科で良く耳にする、『陣痛』についてです。

陣痛の開始ですが、一般的には痛みを伴う子宮の強い収縮が10分間隔になるもしくは1時間に6回以上になり始めた時間から開始としています。

しかし、陣痛の出方は、5分で始まる人もいれば、下っ腹が痛い、腰も一緒に痛いなど人によって異なります。

定期的に同じことが起こり始めたら陣痛かな?と思ってもらえばいいかと思います。

入院の時期についてはこのあとお伝えしますが、入院までは家で普通に過ごしてもらっています。

お腹が痛いのでなかなか難しいかもしれませんが、10分の間で数分でも眠ったり力を抜いたり休んだりできると、お産は進みやすくなります。

次に、陣痛時の入院の時期についてですが、目安として初産婦さんは痛いときは動けなくなるくらいの痛みが5分間隔ほどでくるようになったら、経産婦さんは陣痛が10~15分間隔になったら一度連絡をしてください、と私たちはお伝えしています。

経産婦さんは、前回のお産が早かったなど今回のお産も早そうな要素があれば早めに連絡をお願いしています。

お風呂については、初産婦さんは余裕があればお風呂に入ってきてもらってもいいかもしれません。

お産の時はすごく汗もかきますし、お風呂に入ることでリラックスしてお産も進みやすくなるかと思います。

経産婦さんは人によってバラバラなので痛みの様子で入るようにしてもらいます。

経産婦さんのお産の進み具合は、私たちも読めないことも多いので、早め早めの行動をお願いしています。

破水について

次に『破水』についてお伝えしていきたいと思います。

まずは、破水とは…?

破水とは赤ちゃんを包んでいる膜が破れて羊水が出ることをいいます。

本来であれば子宮口(※子宮口とは…子宮の出口のことを言います。場所的には子宮と膣の間くらいです。)が全部開くころに破水するのですが、陣痛開始前に破水することもあります。

陣痛開始前に破水することを前期破水といい、前期破水後にすぐ陣痛が来る方もいれば、全く来ずに薬を使って陣痛を起こす必要がある方もいます。

膜が破れるということは感染の恐れがあるので、破水の場合は必ず入院して抗生剤を使用していくようになります。

ジャバっとたくさんのお水が出れば破水だと気づくのですが、チョロチョロしかお水がそれほど出ないこともあり、そういう時は破水なのか、おりものなのか、尿漏れなのかわからない、と思う方もたくさんいます。

チョロチョロの破水でも、破れていることには変わりなく、赤ちゃんに感染が起きてしまうと怖いので、おかしいなと思ったら必ず一度かかりつけの病院に連絡を入れるようにしてもらっています。

破水の人は、陣痛の人と違い、感染の恐れがあるのでお風呂には入れません。なので、ナプキンを当てて、すぐに病院に直行してもらいます。

前期破水は怖いもの、と感じたかもしれませんが、早めの対応をし、しっかり管理すれば問題ありません。

しかも、前期破水の方はかなりたくさんいるのが現状です。

以上産科病棟特有の内容でした。少しでもご参考になることがあれば幸いです。

「消化器外科の看護師の役割って何?3選について紹介!」

消化器外科の看護師の役割ってどのようなものがあると思いますか?

「ドレーンがたくさん入っている患者さんが多くて管理が難しそう…」

「絶食中の患者さんが多くいそう…」

「ドレーンだけではなく、胃管、イレウス管、中心静脈カテーテルとか、とにかくたくさん管が入って大変そう」

「ドレーンとか、ライン類がたくさんあるから、自己抜去が多くて、インシデントばっかり発生していそう…」

こんなイメージを持っている人は多いのではないでしょうか。

消化器を扱う科としては、大きく分けて消化器内科と消化器外科があります。

さらに分けると胃、食道、肝臓、小腸、大腸、脾臓など、大きい規模の病院ではより細かい臓器別に分かれているところもあります。

消化器外科では内科とは異なり周手術期の管理というところが大切な役割の1つとなってきます。

しかし、実際に働いた経験がなければ消化器外科の詳しい役割について知ることはなかなかできないと思います。

そこで今回は「消化器外科の看護師の役割って何?3選について紹介!」というテーマで、消化器外科の看護師の役割を3つに絞り、実際に勤務した経験をもとに紹介していきます。

1.消化器外科が対象としている患者さんとは?

消化器外科の看護師の役割を紹介する前に、まず消化器外科が対象としている患者さんについて紹介します。

先ほども紹介したように、消化器を診察する診療科には消化器外科と消化器内科はあります。

消化器内科ではおもに投薬による治療が行われ、手術が必要と判断されや患者さんが消化器外科へ送られるというイメージです。

一般的に消化器科という場合には消化器内科を指すことが多いです。

消化器外科には食道・胃外科、胃腸科外科、肝胆膵外科などの名称すべてが消化器外科となり、口から肛門まで続く、口腔、咽頭、食道、胃、小腸、大腸などの臓器と、付属消化器官として肝臓、脾臓、胆道、すい臓といった食物の吸収、消化を助ける働きをする消化器官の外側にある臓器も含まれます。

そのため、症状や疾患の内容としては、嚥下困難や逆流性食道炎、胃潰瘍から虫垂炎、胆のう結石、腹痛や下腹部痛、胸やけ、嘔気など多岐に渡ります。

タバコや飲酒、暴飲暴食などの影響を最も受けている診療科でもあるように感じます。

患者さんの生活歴を聴取していると、入院時にも禁煙できていなかったり、ストレスを抱えて暴飲暴食してしまったり、もちろん加齢も原因の1つでありますが、そのような患者さんが他の診療科と比べても多い印象です。

これらの病気に対して、内科的な投薬での治療では対応できない病気に対して、外科的な手術を行うことで、異常部位を切除したりしていきます。

近年では、癌り患数は大腸が男女の1位、2位は胃、6位はすい臓、7位は肝臓と、消化器官の癌が上位を占めています。

消化器官は年齢とともに機能が弱くなってしまい、異常が出やすい部位でもあるため、超高齢社会を迎え、ますます消化器外科が対象とする患者さんは増加していくことが推測されます。

2.消化器外科の看護師の3つの役割とは?

これまでは消化器外科が対象としている患者さんについて紹介しました。

ここでは消化器外科の看護師の役割について3つ紹介していきます。

(1)一般的なケアや処置を行うこと

まず1つ目に役割は一般的なケアや処置を行うことです。

これは消化器外科に限ったことではありません。

入院している患者さんは年々高齢化してきており、日常生活動作のところで介助や見守りを要する患者さんが増えてきています。

そのため、他の診療科と同様に入浴介助やシャワー介助、食事介助など、日常生活動作を介助するというケアを行う機会が増えてきています。

一般的なケアや処置を行うことも消化器外科の看護師の役割の1つと言えます。

(2)周手術期の管理を行うこと

2つ目の役割は周手術期の管理を行うことです。

術前の説明を行ったり、術後の呼吸、循環動態、ドレーン類の管理などを行っていきます。

術前の説明では単に手術までの流れを説明するわけではありません。

具体的に見ていくと、患者さんが医師の話をどれくらい理解しているのか把握するのはもちろんのこと、手術の内容によってはストーマを造設しなければならない場合もあります。

ストーマの造設を受ける場合は、腹部から排便されるわけなので、ボディイメージの変化を受け入れられない場合が多々あります。

ボディイメージの変化だけではなく、これまでの日常生活に様々な制限が出てくるため、生活様式を変えていく必要もあります。

ストーマの管理は自宅退院後ももちろん継続するため、自己管理でする部分が大きくなります。

ボディイメージの変化を少しでもスムーズに受け入れることで、ストーマの管理に前向きになり、異常の早期発見にもつなげることができるため、図などを用いて具体的に説明を行っていきます。

生活様式の再編についても、患者さんの実際の生活の様子を聴取しながら、術前より介入を行っていき、スムーズに自宅退院できるように関わっていきます。

術後はストーマの管理だけではなく、バイタルサインを測定したり、採血検査などからアセスメントをしなければなりません。

消化器外科の手術では多くのドレーンが挿入されることが多々あり、また留置期間も長くなっています。

ドレーンの管理を行いながら、合併症の有無についても観察していきます。

疼痛の管理を行った上でリハビリテーションを進めながら、ドレーンの管理を行っていくため、自己抜去などにも気を付けながら進めていきます。

(3)絶食中の患者さんの栄養管理を行うこと

3つ目の役割は絶食中の患者さんの栄養管理を行うことです。

消化器外科の患者さんは絶食で管理する場合が多々あります。

しかも、その期間が長期化する場合があるため、胃管を挿入したり、胃瘻を造設したり、中心静脈カテーテルを挿入し高カロリー輸液を投与したりして対応します。

必要なカロリーが摂取できなければ、リハビリテーションに支障をきたしたり、創部の治癒に支障をきたしたり、皮膚トラブルにもつながってしまいます。

そのため、絶食中とは言え、適切な栄養管理を行っていかなければなりません。

ときには院内のNSTなど栄養管理に特化したチームに介入を依頼し、医師や看護師だけではなく、栄養士や薬剤師などの意見を集約しながら、患者さんに適切な栄養管理を実施していきます。

この栄養管理を行うことが、患者さんが早期に退院できるか、入院が長期化してしまうか、手術による合併症以外の褥瘡などを形成せずに済むかなどにかかってくるため、消化器外科の看護師の大切な役割の1つと言えます。

3.まとめ

今回は消化器外科の看護師の役割について3つ紹介しました。

消化器外科では年々患者さんは増加傾向であり、その状況の中で看護師は周手術期の管理であったり、ストーマの管理であったり、絶食中の患者さんの栄養管理を担うことが大切な役割となっています。

適切な栄養管理を行うため、より介入が難しい患者さんにはNSTが介入したりすることもありますが、みなさんのところでは、患者さんの適切な栄養管理を行うためにはどのような介入を行っていますか?

薬に頼らない治療

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〇こんな人に読んでほしい!

1.最終的には薬に頼らないで生活を送れるようになりたい患者さん

うつや不安障害の各種治療のために毎日薬を服用しているけれど、これでいいのかな?と思う方は少なからずいらっしゃると思います。

理由は人によると思うのですが、

・副作用がきつい、無理矢理落ち着けているような感覚に陥る

・このままこの薬を飲み続けていいのかな…と思う時がある

・薬から解放されて、薬を飲んでいなかったころのように生きていきたい

このようなものが多いのかなと思います。

薬に頼らない治療法や、薬に頼らないで生きていけるようになるためのマインドトレーニングの手法などは数多く存在しています。

そのため、薬と併用しながらこれらの治療を行っていくことで、少しずつ自分の心を癒していくような治療法というのも存在しています。

こちらの記事では、そのような治療法をいくつかご紹介していこうと思うので、もしも今後薬を少しずつ減らしていきたいと思っている方がいれば参考にしてみてください。

2.薬以外で患者さんの心を和らげてくれるものの知識が欲しい方

 薬を飲んだ後の患者さんが

・魂が抜けてしまったかのようにぼーっとしている

・人が変わったかのように落ち着いたかと思いきや、薬がなくなると豹変する

そんな様子に困っていたり、悩んでいる方はいらっしゃる方はこの記事に辿り着いた方でもいらっしゃるでしょう。

薬に頼らない治療法を勉強して、患者さんと一緒に少しずつ試してみませんか?

3.薬に頼らない治療の知識が乏しい医療従事者の方

 薬を使用しない治療法を病院で勧めたり、実践している場所は少なからず存在しています。

あなたが配属されて、そのような治療法のサポートを行う可能性や、相談された際にアドバイスをするというケースは生じる可能性は低からずあるでしょう。

そのようなときのために、あなた自身が最低限

・薬以外の治療法があること

・自分の病院ではこのようなサポートができること

程度は伝えられるようになる必要があります。

◯非薬物療法のメリットとデメリットは?

まず、非薬物療法のメリットとデメリットについてご説明していこうと思います。

1.メリット

・薬に頼らず、本来の自分を尊重した治療を行うことができる

・根本的な病気の治療に繋がる

・副作用が存在しない

・依存性がない

このように、自分らしさを生かした上で病気自体の根本的な治療を行うことができます。

薬は確かに便利なもので、飲めば簡単に病気の症状を抑えることが可能です。

しかし、薬がないと自らを安定させられなくなってしまったり、薬を飲み続けるにつれ効果が薄まってしまうために、薬の量が増えたり、OD(オーバードーズ、薬の過剰摂取)に繋がるラスクがあります。

そのために非薬物療法は有効になってきます。

2.デメリット

一方でデメリットは、

・治療が長期にわたる

・一部の治療法に関しては、専門でやっている病院が少ない

・お金がかかる

・効果があるかは人それぞれ

であることが挙げられます。

長期にわたる治療かつ、お金がかかる治療法も多いです。

また、一部の治療に関してはすべての病院でやっていないケースや、特定の病院でしか受けることができないということもあります。

そのため、患者さんの周囲の人がサポート出来る体制にあるかどうかなど、懸念事項がいくつか挙げられます。

ただし、比較的手軽な治療もあるのでそのようなものを考えてみるというのも手の一つです。

また、患者さんによって治療法によって相性もあるのでまずは取りやすい方法から実践していくというのも一つの手です。

◯非薬物療法の種類

1.非薬物療法の種類

 非薬物療法には大きく分けて2種類の方法が存在しています。

・リハビリテーション

・心理療法

の二つです。

リハビリテーションは運動療法と呼ばれ、筋力の回復や空間認知能力の復旧といった、身体的な治療がメインになります。

また、心理療法はメンタル面の課題の解決や、自分らしさの回復を主とした治療法になります。また、この二つ以外にも

・音楽療法

・アニマルセラピー

・タクティールケア

といった、上記2種類には分類されない治療法も存在しています。

2.非薬物療法の一例

それでは、うつや不安障害の治療のための非薬物療法の例をいくつか挙げた上で、紹介していきます。

今回紹介する治療法は不安障害以外にもパニック障害や社交不安といった様々な症状に効果があると言われています。

①認知行動療法

不安障害などで利用されることの多い治療法の一つです。やることとしては、

・物事に対する考え方や捉え方

・相手からの行動の受け止め方

この2つの捉え方が原因で、落ち込んでしまったり、ストレスを感じてしまうことや、不安になってしまうことを避けるための方法です。

考え方の改善によって、上記のような項目(認知)を正していくことになります。

例えば、仕事で失敗をして上司にきつく叱られてしまったということがあったとします。この時に、「自分が失敗したせいできついことを言われた」「上司はいつも自分ばかり叱ってくる」「言い方がキツくて辛い」と悪い方向に捉えたとしましょう。

その場合、自分を責めてしまったり相手にイライラしてしまいストレスを抱えてしまいます。

このような考えではなく、「自分のためを思ってきつく言っている」「次は失敗しないように頑張ろう」と考えを改めることで、患者さん自身のストレスを軽減できるように考え方を改めていく。

そうすることで、ストレスが軽減し生きやすくなるという流れになります。

今まで生きてきた中で構築してきた考え方を急に変えるというのはけして簡単なことではありません。

そのため、薬の治療と並行して少しずつ行なっていくことがオススメです。

また、本なども多く出版されていることから手軽に実践することができ、お金も他の治療法と比べてかからないことも良い点の一つとして挙げられます。

②森田療法

こちらは日本独自の治療法であり、森田正馬という精神科医によって生み出された方法です。

森田は、

・内向的

・小心物

・周囲からの反応に敏感になりやすい

・心配性

・完璧主義

といった性格を「神経質性格」と定義しました。このような性格は「とらわれの機性」というメカニズムによって、

・偶然のことに対して強い不安

・理想を実現できないことに対するストレス

を感じてしまいがちです。

この治療法では、そのような考え方から脱して、ありのままで生きることの大切さを理解してもらい、そのように生きていけるようにするという方法になります。

認知行動療法との違いは、自らの考え方をどのように改めていくかになります。

◯まとめ

薬に頼らない治療法は長期にわたる治療が必要になりますが、一方で薬に頼らない本来の病気の治療を達成することができる一つの手段になります。

その方法は様々であり、今回は不安障害の治療法について2つほど例を挙げましたがこれ以外にも様々な方法が存在しています。

大切なことは、患者さんの性格や資金面、治療が受けられるかどうかなど様々な点を加味した上で、薬と並行して行っていくことになります。

薬は確かに病気の回復のために有効な手段の一つではありますが、完全に回復させるための手段にはなり得ません。

悪い言い方をすれば、その場を凌ぐための手段です。薬と一緒に自分の心を見つめ直すことで、薬なしで生きていける未来を目指していけるように頑張っていきましょう。

また、周囲の方達もそのための支援を怠らないようにしていくことが大切です。

悪心、嘔吐について

今回は、悪心、嘔吐について確認していきましょう。

悪心

ムカムカして嘔吐したい気分のことで、「吐き気」「嘔気」とも表現します。

ただし、必ずしも嘔吐を伴うとは限りません。

嘔吐

胃の内容物が急激に吐き出される状態をいいます。通常は悪心に続いて起こりますが、突然嘔吐する場合もあります。

嘔吐の原因は?

嘔吐は、嘔吐中枢が刺激されることによって起きます。

嘔吐中枢は脳の延髄に存在し、化学受容器引金帯と呼ばれる構造を介して、または直接刺激されます。

化学受容器引金帯が刺激されると悪心を感じ、その刺激がある一定レベルを超えると実際に嘔吐が起きます。

嘔吐中枢が直接刺激された場合には、悪心を伴わずに嘔吐が起こります。

嘔吐の原因は、視覚、嗅覚、味覚などの大脳皮質からの刺激によるもの、頭蓋内圧亢進によるもの、心臓や消化器などの臓器に分布する自律神経への刺激を介するもの、抗癌剤などの薬物や細菌の毒素などの化学的刺激によるもの、乗り物酔いのように前庭器官への刺激によるものなど、様々です。

吐く前に唾液が出るのはなぜか?

吐く前に唾液が出るのは、嘔吐中枢の近くに唾液分泌中枢があるためです。嘔吐中枢が刺激されると、この唾液分泌中枢も一緒に刺激され、吐く前に唾液が出てくるのです。

嘔吐はどんなメカニズムで起きるのか?

嘔吐は途中で止めることができず、反射的に胃の内容物が吐出されます。

悪心が強まると胃の運動や胃液分泌が低下し、胃の粘膜が蒼白になります。さらに、粘液の産生増加がみられ、嘔吐運動に移行します。

嘔吐運動は次のようにして起こります。

まず、十二指腸で十二指腸から胃に向かう逆蠕動運動が起き、胃の上部の筋肉の緊張が抑制されます。続いて、食道下部の筋肉、噴門が緩みます。その後に十二指腸で起きた蠕動の波が押し寄せてきます。

吐く直前には、反射的に深く息を吸い込みます。同時に声門と軟口蓋が閉じられて呼吸が止まり、気道や鼻腔に吐物が入るのを防ぎます。

こうして、胃から口までのルートが出来上がるわけです。この時に呼吸が停止するのは、嘔吐中枢の近くに呼吸中枢があるためです。

吐く瞬間には、横隔膜と腹筋が収縮し、腹腔の容積が小さくなり、腹腔の圧が高まります。

そして、最後のとどめとして胃の逆蠕動運動が起こり、胃から口までのルートを通って胃の内容物が吐き出されます。

どんな場合に悪心・嘔吐が起きるのか?

悪心・嘔吐が起きるのは、頭蓋内圧が高まり、嘔吐中枢が刺激されて起こる場合と、食中毒など胃の有毒物を排出しようとして起こる場合、消化器や腎臓、心臓の病気が原因になる場合などがあります。

頭蓋内圧はどんな時に上昇するのか?

脳は、固い頭蓋骨で囲まれた、かぎられた空間の中に存在しています。

従って、脳内に脳腫瘍や脳出血のように体積を増加させるような病変が起こると、頭蓋内圧が上昇します。

これによって嘔吐中枢が刺激されて嘔吐が起きます。

また、髄膜炎やクモ膜下出血では、髄液の循環が障害され、これが嘔吐中枢を直接刺激します。

食中毒の時に悪心・嘔吐が起こるのはどうしてか?

食中毒の原因になる細菌の産生した毒素が化学受容器引金帯を刺激することによって悪心・嘔吐が起きます。

同様に、化学受容器引金帯が刺激されて悪心・嘔吐が起きるものとして、肝不全、腎不全があります。

肝臓や腎臓は、体内に生じた有害物質を解毒したり、尿中に排泄したりする働きを持っています。

肝不全や腎不全ではこれらの機能が障害され、血液中に有害物質が増加し、これが化学受容器引金帯を刺激するのです。

食中毒や肝不全、腎不全での嘔吐は、有害なものを身体の外に吐き出そうとする防御反応と捉えることができます。

また、抗癌剤による悪心・嘔吐も、血液中に吸収された薬物が化学受容器引金帯を刺激することによって起こります。

悪心・嘔吐と消化器系の疾患との関係は?

腹膜炎や虫垂炎、腸閉塞(イレウス)、急性肝炎、急性膵炎などの消化器疾患によっても、嘔吐が引き起こされます。消化器は自律神経が支配しており、刺激が自律神経を介して嘔吐中枢に伝わり、嘔吐が起こるのです。

強いショックで吐くのはどうしてか?

嘔吐中枢は大脳皮質と連絡しているので、精神的な不安、気持ちの悪いもの(視覚)、嫌なにおい(嗅覚:きゅうかく)などの大脳皮質への刺激が嘔吐中枢にも伝わり嘔吐が起きます。

悪心の観察のポイントは?

悪心は、しばしば嘔吐に移行するため、その原因を見極めることが大切です。

また、めまい頭痛頻脈、徐脈などの悪心以外の症状がないかどうかも観察します。

嘔吐の観察のポイントは?

まず、悪心に続いての嘔吐か、それとも突然の嘔吐かに注意します。

クモ膜下出血など、中枢神経系に原因がある場合は、悪心を伴わずに突然嘔吐が起こります。

また、嘔吐が持続しているかどうかもチェックします。嘔吐が繰り返される場合は、消化管の狭窄や腸閉塞、薬物、腹膜炎、肝・胆・膵疾患などが疑われます。

次に、吐いたものの性状と量に注意しましょう。

胃液がたくさん混じっている時は、胃炎や潰瘍が疑われます。腸閉塞では胃より下部の内容物が吐出されるため、吐いたものに便のにおいが混じっているのが特徴です。

胆汁が混じっていることもあり、その場合は色が茶褐色になります。

感染症による消化管の炎症による嘔吐では特徴的な下痢を伴うことが多いので、下痢の症状もあわせて観察しましょう。

さらに、食事との関係も重要な観察ポイントです。

食後すぐに嘔吐した時は、食べたものに薬物や毒物が混じっていた可能性があります。

細菌による食中毒で起こる嘔吐では、食後2時間くらいで嘔吐が起これば、あらかじめ産生された毒素が食中毒を起こす毒素型の食中毒(ブドウ球菌など)、食後半日以上経ってから嘔吐が起これば腸管で菌が増殖して食中毒を起こす感染型の食中毒(サルモネラ菌や病原性大腸菌)と考えられます。

これに対し、つわりや十二指腸潰瘍などでは空腹時に嘔吐します。

悪心・嘔吐のケアは?

悪心がある時は、静かな環境の下で楽な姿勢を取り、安静にします。

また、いつ嘔吐してもよいようにガーグルベースン等をすぐに手に届くところに準備しておきます。

嘔吐は患者にとってとても不快なものですから、迅速かつ丁寧なケアが求められます。

楽な姿勢を取るとともに、口腔内を清潔にします。

なお、嘔吐したものが誤って気道に入ってしまうことがあるので、身体と顔を横向きにするなど、体位に気をつけます。

口の中に残った吐物は取り除き、気道を確保します。

クモ膜下出血や腸閉塞のように重篤な疾患による嘔吐の場合は、緊急の対応が必要になってきます。

大量に嘔吐した場合には、胃液、腸液、胆汁、膵液などとともに水分や電解質が失われて脱水や電解質異常に陥る危険があります。皮膚が乾燥していないか、血圧低下はないか、口渇はないか、尿量は正常か—などをチェックしましょう。

嘔吐による電解質異常

胃液中には塩酸(HCl)が含まれます。そのため、嘔吐を繰り返すと塩素イオン(Cl)が失われ、低クロール血症になります。

このような状態でも胃粘膜での重炭素イオン(HCO3)の産生は続くため、重炭素イオンが増加します。

血液のpHは、以下の式(ヘンダーソン−ハッセルバイヒの式)で決まります。従って、重炭素イオンが増えると、血液のpH はアルカリ性に傾いて代謝性アルカローシスになります。

嘔吐したときの対応だけでなく、なぜ嘔吐したのかについても考えて、その後の治療における看護もできるようにしておきましょう。

キャリアアップに!看護師にオススメの資格11選

看護師として経験を積むうちに「この分野を勉強したい」「この領域のケアについてもっと知りたい」と思うことがあるでしょう。

または、「看護師としてもっと勉強して自信をつけたい」「今行っているケアにどんなエビデンスがあるのかきちんと学びたい」という思いもあるかも知れません。

看護師のキャリアアップにおすすめなのが資格を取ることです。現在、さまざまな団体より資格が認定されています。

この記事では、看護師が取得できる11の資格を紹介します。あなたの興味にぴったりな資格を見つけてみてください。

1.呼吸療法認定士(3学会認定)

呼吸療法認定士は、呼吸機能に問題のある患者さんのケアや人工呼吸器やNPPV(非侵襲的陽圧換気)などの機械管理を行う資格です。

看護師、准看護師などの有資格者が受けられます。

2年以上の経験年数が必要です。呼吸療法認定士は、日本胸部外科学会、日本呼吸器学会、日本麻酔科学会の3学会が認定した資格です。

2.呼吸ケア指導士

呼吸ケア指導士は、日本呼吸ケア・リハビリテーション学会が認定する資格です。呼吸障害を持つ人に対して指導的に呼吸ケアを実践していきます。

呼吸ケア指導士の認定を受けるには、3年以上継続して日本呼吸ケア・リハビリテーション学会の本会員であることが必要です。

学会が認定する講習会、学会などの参加、学会や論文発表で所定の単位を取得し、認定委員の認定をもって呼吸ケア指導士になることができます。

3.日本糖尿病療養指導士(CDEJ)

日本糖尿病療養指導士とは、糖尿病患者さんに対して、うまく自己管理していけるよう指導するスタッフです。

糖尿病患者さんは年々増加の一途をたどっており、糖尿病について正しい情報を提供し、患者教育ができるスタッフは、ますます求められると言えるでしょう。

糖尿病患者さんの指導に関わる資格は、日本糖尿病療養指導士のほか、地域糖尿病療養指導士(LCDE)があります。

略称の頭文字のLは「Local」、つまり「地域」を意味します。なお、CDEJのJは「Japan」、「日本」のJです。

地域糖尿病療養指導士は、県または地域の糖尿病療養指導士会が認定しています。

認定された地区に限られるので、転居する際は転居先の了承指導士会に転入手続きを取る必要があります。

一方、日本糖尿病療養指導士は、地域に関わらず全国の施設で有効な資格です。

どちらの資格を取得したらよいか迷うときには、転居の可能性の有無を考慮するのも良いでしょう。

また、日本糖尿病療養指導士は准看護師には受験資格がないため、注意が必要です。

4.腎臓病療養指導士

腎臓病療養指導士とは、日本腎臓学会と日本腎不全看護学会、日本栄養士会、日本腎臓病薬物療法学会の4学会が立ち上げた資格です。

腎臓病療養指導士は、慢性腎臓病の患者さんに対して、標準的なケアを普及するために活躍しています。看護師・保健師として3年以上の期間がある人が応募できます。

5.栄養サポートチーム専門療法士(NST専門療法士)

静脈栄養や経腸栄養など、臨床における栄養サポートについて専門的な知識・技術を持つスタッフです。

看護師として5年以上の勤務経験があり、栄養サポート業務を行っているスタッフが受験できます。

6.手術看護実践指導看護師(愛称:ジョナサンJONAⅢ)

手術看護実践指導看護師は、手術看護におけるスキルと実践能力を認められ、手術チームにおける教育指導的な役割を果たせるスタッフです。

日本手術看護学会が認定します。直近10年以内に、日本手術学会に3年以上会員として在籍している看護師で、手術看護の経験が5年以上などの応募条件があります。

7.日本運動器看護学会認定運動器看護師(JSMNC)

日本運動器看護学会認定運動器看護師は、略してJSMNCと表し、ジャスミンシーと呼ばれています。

整形外科看護やリハビリテーションについて専門的なケアを提供するスタッフです。

急性期だけでなく、高齢者医療においても、ADL拡大の介助や転倒予防を実施し、高齢者のQOLを見据えたケアを提供しています。

認定は日本運動器看護学会が行っています。

8.終末期ケア専門士

終末期ケア専門士とは、終末期の患者さんに対し、専門的な知識と技術、経験を持ってケアするスタッフです。終末期の状態は患者さんそれぞれなため、終末期ケア専門士は、個別性を大切にして看護に当たっています。

終末期ケア専門士は、日本終末期ケア協会が認定します。

終末期ケア専門士を受験するには、2~3年の経験年数が必要です。

看護師と保健師は2年、准看護師は3年となっています。

この資格に受験する条件として、実務経験は終末期やホスピスでなくてもよいとされています。

一般の病院、施設、訪問看護など高齢者医療に携わっているスタッフも対象となります。

9.公認心理師

公認心理士は、医療、教育、福祉などの分野にて、人々の心理的な相談に乗ったり、アドバイスや指導をするスタッフです。

2017年より国家資格として施行されました。

公認心理師の資格が成立する前は、臨床心理士や心理カウンセラーなど、さまざまな民間団体の認定する資格が混在していました。

公認心理師になるには3つのルートがあります。

大学で指定科目を修めたあと、国内外の大学院で指定の科目を履修するか、2年間の実務経験を積むかです。

また経過措置といい、すでに臨床心理士資格を有している人や、臨床心理士の資格を取得することが見込まれる人などに受験資格が与えられています。

経過措置では、現任者講習といい、すでに心理職に就いている人は、5年間の実務経験があれば現任講習を受けることで国家試験を受験するチャンスが得られます。

このコースでは看護師で働きながら公認心理師資格を得ることができます。

10.介護支援相談員(ケアマネージャー)

介護支援相談員は、ケアマネージャーという通称で知られる介護福祉関係の資格です。

加速する高齢社会において、需要の高い資格と言えます。日本ケアマネジメント学会が認定する資格です。

受験するには、2年以上日本ケアマネンジメント学会に在籍していること、ケアマネージャーとして3年以上の実務経験が必要です。

11.診療情報管理士

診療情報管理士とは、医療施設において、患者さんの診療情報を収集、管理するスタッフです。

医療のIT化がすすみ、医療情報の管理はますます重要になっています。

診療情報管理士になるには、日本病院通信教育や日本病院認定専門学校、もしくは大学のカリキュラムを受けることが必要です。

海外では、Health Information Manager(HIM)として制度化されています。

わが国では、日本病院会、全日本病院協会、日本医療法人協会、日本精神科病院協会の4つの団体が認定しています。

わが国の診療報酬制度でも診療録管理体制加算が設けられており、診療情報管理士は今後さらに需要が高まると言われています。

まとめ

いかがでしたか?資格には、認定試験のみでいいものや、経験年数が必要なもの、大学院や養成機関への通学が求められるものなど、資格取得へのハードルはさまざまです。

受験資格については、ここに掲載しているものは一部であり、記事掲載時から変更されている可能性もありますので、受験される際には各認定団体のHPを確認してください。

興味がある資格を見つけたら、ぜひチャレンジしてみてくださいね。

不安障害について

◯こんな人に読んで欲しい!

1.不安障害について知りたい方、自分自身が不安障害なのか疑っている方

今まで気にならなかったことが突然気になるようになってしまった…。人前で話すのがある日を境に恐怖になってしまった。その原因がなんとなく気になるけど、何なんだろう…と思っている方。もしかすると、それは不安障害という病気なのかもしれません。まず、病気の知識を理解するところから始めてみませんか?知っていて損はないことですし、もし自分が不安障害に該当しそう、と思うのであれば精神科へ一度行ってみるといいかもしれません。

2.家族や友人、職場の人たちで最近不安な様子が見受けられる人

身近にこんな方はいらっしゃいませんか?

・前まではそうでもなかったけど最近妙に心配性だったり不安な様子が増えた人

・細かいことにやけに不安になってしまう人

・人前や電話など、人と接するときに妙に億劫になったり避けようとする人

このような症状が普段からであれば、もしかしたらそのような性格の方なんだろう、という程度にすぎないかもしれませんが、このような症状が今まで見られなかった人に突然現れたとすると、それはもしかすると病気なのかもしれません。

3.不安障害についての知識が薄い医療従事者

不安障害はとにかく症状の幅が広いことが特徴になります。また、発症の原因や治療法、治療薬など治療の進め方も多岐にわたるどころか、その人用の治療法が必要になるレベルになります。

だからこそ、どのような症状が不安障害に該当するのか、またそのような人にはどのように接する必要があるのかを理解した上で、不安にさせないような接し方をする必要があります。

不安は人間に対して心を閉ざす大きな要因の一つです。だからこそ、相手を不安にさせることは極力少なくして円滑な治療を行えるように努めていきましょう。

◯不安障害とは

そもそも人間誰しも何かしら不安を抱くことは当然あります。

例えば「ガスの元栓閉めたっけ?」「落とし物しちゃった、盗られてたらどうしよう…」のように、人を不安にさせる要因はキリがないためです。

しかし、人によってはこの不安が過剰になってしまったり、生活に支障をきたしてしまったり、最悪別の病気を引き起こしてしまう可能性さえあります。

このように、生活に支障をきたしてしまうようなことに対してさえも不安を感じてしまう場合、不安障害という病気であるということになります。

また、不安障害はどのようなことに対して不安を抱くかによって、いくつかの分類分けがされています。

◯不安障害の分類

1.社交不安障害

例えば家ではとくに症状を発症しない一方、仕事場や学校のような他人がいるような環境で不安になる傾向が強い方はこちらに分類されます。

人と話すときに言葉が出なくなったり、人前で話す時に緊張を超えて話せなくなってしまうなど、人に関連する症状が多く出るため家族など安心できる場所で患者さんと接することが多い人は症状を見つけにくいというデメリットがあります。

2.全般不安障害

生活の全般的なことに対して不安を抱く場合、こちらに分類されます。人間に対してだけでなく、さまざまなことがとにかく不安でたまらない!という人たちのことを指します。

3.恐怖症

もしもこうなったらどうしよう…といったように、これから起こりうるかもしれない可能性に対して不安を感じてしまう症状になります。

例えばもし借金をしてしまったら、もし仕事をクビになったら…のように、必ずしもそうなることはない事象に対しても不安を抱いてしまうというケースもあります。

これ以外にもさまざまな分類がなされており、あくまで上記は不安障害の一例になります。

◯不安障害の症状

こちらも人によってさまざまな形で現れます。

分かりやすいものだと、以下のような症状になります。

・不安、パニック

・落ち着かない、ソワソワする

・緊張感

・上記の症状から来るストレス

・不安のコントロールができない

また、上記はメンタル面での症状の一例ですが、肉体面での症状が現れることもあります。

例として以下のようなものが挙げられます。

・動悸、息切れ、過呼吸

・赤面症

・めまい

その他、人によってさまざまな形で現れてきます。そのため、人によって適切な対処法などは異なってきます。

◯治療方法

大きく分けて2つの方法があります。

1.薬物療法

薬を使ってメンタルを落ち着かせる方法になります。

初めはこちらの手段から開始していき、徐々にトレーニングなどで不安をコントロールできるようにさせていく、というのが基本的な治療法になってきます。

薬については種類も多いため、著名な薬を別の記事にて解説する予定です。医療従事者の方は全てとは言わずとも、有名な薬についてはどのようなものか、副作用が弱いか強いか程度は理解しておく必要があります。

2.精神療法

「認知行動療法」という方法がよく取られます。

これは、簡単に言えば歪んだ考え方(よくない考え方)を少しずつ直していくことで、病気の改善に向かっていくという方法になります。

 簡単に言えば物事をマイナスの方向に捉えるのではなく、こういう風にも捉えられる、こういうところができた、といったように、悪い側面だけではなく良い側面もしっかりと捉えられるようにするという方法になります。

◯不安障害の方との接し方

第一に最も大切なことは、「病気であるあなた」を否定しないことです。

人間誰しも調子を崩すことはあります。風邪となんら変わらないのです。また、医療従事者の方にも言えるのですが、以下のことが大切になってきます。

1.しっかりと相手の話を聞く

相手の話をしっかりと聞いて、毅然とした対応や説明を行うようにしましょう。

また、話を聞く場所は患者さんが不安にならないような場所にしましょう。

 自分の話を本当に聞いてくれてくれているのかな?という不安は、患者さんの症状を深刻化させてしまったり、病気の原因などの治療に重要な要素を聞けなくなってしまう可能性などあります。

不安障害の方のためには、最も大切なことになってきます。

2.支援サポートなどを利用する

不安障害者の方が悪いというわけではありませんが、彼らのような方と接することはかなりの負担になってきます。

そのため、家族の方は全員で互いに協力して、誰かに負担が行かないようにコントロールをしてあげる必要があります。

また、治療の負担で苦しむ前に、さまざまなサポートについてしっかりと調べておくことが必要になってきます。

市町村によってはボランティアの支援施設が存在する場所もありますし、会社などでカウンセリングサポートを提供してくださっているところもあります。

活用できる制度は、積極的に利用していきましょう。

看護師さんの場合は何人かで交互に担当するなど、その人だけに押し付ける行為は控えましょう。

◯まとめ

不安障害はとにかく原因も症状も幅が広く、治療法も薬物治療をとってもさまざまな薬が存在しています。

また、精神療法も今回紹介した認知行動療法以外にもさまざまな手段があるため、その人の性格などに合った適切な方法を選んでいくことが必要になります。

そのため、基本的には色々試しながらその人に合った治療法を見つけていく、というのが基本的な治療の進め方になってきます。

そのため、治療には時間を要するケースが多いですが、少しでも症状が改善されるように、周囲の人や医療従事者の方が協力して治療に取り組んでいきましょう。

「透析室の看護師の役割って何?役割の4選を紹介!」

透析室の看護師ってどういう役割のイメージがありますか?

1日どんな業務をしているのか知っていますか?

「透析に関わる業務をやっていそうだけど、どんなことをしているんだろう…」と、透析室での業務は透析に関わる業務というなんとなくのイメージを持っているかもしれません。

しかし、実際に働いたことがない人にとってはなかなか具体的にイメージを持てないと思います。

透析の機械の操作などの業務は当然行いますが、他にもしなければならない業務があり、透析室の看護師の役割って意外と多くあります。

そこで今回は「透析室の看護師の役割って何?役割の4選について紹介!」というテーマで、透析室での実際の勤務経験をもとに、実際に経験したからこそ分かる透析室の看護師の役割について4選を紹介します。

1.透析室が対象としている患者さんとは?

そもそも人工透析とは、慢性腎不全などで低下した腎機能を補うため、人工的に血液をろ過する治療方法です。

透析を受けなければならなくなる疾患は様々で、ネフローゼ症候群などもともと腎機能が悪く幼少期より透析を行っている場合、糖尿病などの生活習慣が原因で透析を受けなければならなくなった場合などがあります。

透析療法には、血液透析と腹膜透析の2種類があり、それぞれの治療方法のメリット、デメリットなどを考慮し、患者さんの状況により選択されます。

人工透析を行っている患者さんは、透析のクリニックや病院の透析室に週3日ほど通院し、1日4時間程度治療を受けています。

このような患者さんを対象としており、一生涯関わっていくことになります。

2.透析室の看護師の役割4選

これまでは透析室が対象としている患者さんについて紹介しました。

ここでは透析室の看護師の役割について4つ紹介します。実際に勤務した経験をもとに紹介するので、具体的な役割を知ることができると思います。

(1)透析の準備と片づけ

まず1つ目は透析の準備と片づけです。

透析を行うためには準備が必要です。機械の準備は近年では臨床工学技士がすることが多いため行わない場合が多いですが、以前までは臨床工学技士はそこまで配置されていなかったため、看護師が機械の準備を行っていました。

機械の準備だけではなく、シーツを交換したり、穿刺をする前の物品を準備したりなど、朝患者さんが訪れてスムーズに穿刺し透析を開始できるように準備をしておきます。

また、透析前には体重測定を行いますが、毎朝透析室やクリニックの入り口付近では体重測定を待つ患者さんの大行列ができていることも珍しくはありません。

ただ体重を測ればいいというわけではありません。

体重測定でのミスが除水量に関わってくるため、測り直したり、ポケットなどの持ち物をチェックしたりします。

1g、1㎏単位での測定を細かくすることが大切です。

患者さんによっては自分自身の体重にクレームを言ってくることもあります。「自分が食べすぎたり、飲みすぎたりしたくせに…」と心の中で思いながら対応しています。

透析が終わったら片づけをすることも看護師の役割の1つになります。

シーツを片づけたり、テレビを片づけたり、明日の準備を考えながら片づけを行います。

透析クリニックでは書類の処理なども看護師でする場合もあります。

(2)シャントへの穿刺と機械の操作

2つ目はシャントへの穿刺と機械の操作です。

これも以前までは臨床工学技士が配置されていなかったため、看護師が行うことが多かったです。

しかし、現在では病院の透析室でも、透析のクリニックでも臨床工学技士が配置されているので、ほとんどする機会はなくなりました。

それでも、少ない配置の人数で回しているところでは、看護師がシャントに穿刺したり、透析開始や終了時の機械の操作を看護師が行っているところもまだまだあります。

シャントは通常の血管と比較して動脈と静脈を吻合して太くしているため、止血には時間がかかります。

シャントへの穿刺から機械の操作、抜針、止血などこれらの役割を看護師が担います。

繰り返しになりますが、病院の透析室、透析のクリニックなどのスタッフの状況により、医師、看護師、臨床工学技士で役割を分担したり、そのときの患者さんの状況により役割が変動することもあります。

特に透析を開始する時間帯は、体重測定を終え、ベッドで横になり透析の開始を待ってる患者さんが多いため、透析室や透析のクリニックで働いている時間の中で最も忙しい時間になるため、状況を見極めながら役割が流動的になるのも仕方がないのかもしれません。

(3)透析中の患者さんのバイタルサインの測定と観察

3つ目は透析中の患者さんのバイタルサインの測定と観察です。

透析を開始してしまえば、あとの時間はゆっくり勤務することができます。

通常は2時間おき、もしくは患者さんの血圧が低下したり、脈拍が低下したときにバイタルサインの測定と状態の観察を行いながら、順に透析が終わるのを待つという形になります。

血圧が下がった際には除水を一時的に止めたり、昇圧剤を流しながら血圧を維持するように観察していく必要があります。

透析中にトイレに行きたいと訴える患者さんもいるため、透析を一時的に離脱し、トイレに搬送したり、気分不良を訴える患者さんには吐き気止めの注射をしたりして対応することも1つの役割となります。

(4)患者さんの健康管理と生活指導

最後の4つ目は患者さんの健康管理と生活指導です。

正直なところ、ここでの役割が1番が難しく、やっかいであると言えます。

私自身、この役割は本当に嫌でした。

透析を導入している人の多くはこれまでに何回も病院に通って、病院に慣れている人が多く、生活習慣を顧みずに思うがまま生活してきた人が多いという印象です。

透析ではいかに体重を増やさずに、除水量を減らして透析を行うことができるかが1番の目標ともなります。

そのため、生活習慣を改善することは大切です。

暴飲暴食とは言わないまでも、体重のことを考慮せずに、多く食べ、多く飲んだりするとそれだけでも体重は増加します。

体重が増加することで身体、特に心臓への負担が大きくなります。

そのことを指導しますが、なかなか受け入れてはくれない患者さんが多かったです。

「体重が増えたんなら、除水量を増やせばいいだけ。」

「何十年もこれで生活してきてるから改善するつもりはない。」

生活習慣を改善し、健康管理を行っている際にはこのようなセリフを何度も聞いてきました。

確かに、何十年と続けてきた生活を改善することは難しいでしょう。

そのため、いかに生活習慣を改善してもらうかということをカンファレンスで話し合い、具体的な案を提示しながら、繰り返し関わっていくことも透析室の看護師の役割の1つです。

3.まとめ

今回は透析室の看護師の役割について4つ紹介しました。

透析室で勤務した経験がない人にとってはより具体的な役割を知る機会になったのではないでしょうか。

透析室では、機械の操作、管理が主な役割になりますが、いかにスムーズに開始することができるのか、トラブルなく終えることができるのか、生活習慣の改善に向けた指導ができるかということが大切になってきます。

みなさんのところでは、この生活習慣を改善してもらうようにどのような方法で介入していますか?

「腎臓内科の看護師の役割って何?主な役割3選について紹介!」

みなさんは腎臓内科で勤務した経験がありますか?

腎臓内科では、看護師にどのような役割が求められるか知っていますか?

「腎臓内科では透析に関わる管理をするところ?」という何となくのイメージを持っている人が多いのではないでしょうか。

腎臓内科で求められる役割は多く、実際に勤務した経験がなければ、腎臓内科での看護師の役割について具体的にイメージすることは難しいと思います。

そこで今回は「腎臓内科の看護師の役割って何?主な役割3選について紹介!」というテーマで、実際に勤務してきたらこそ分かる腎臓内科での看護師の役割について3つに絞り紹介していきます。

1.腎臓内科ってどういう患者さんを対象にしているの?

腎臓内科のおける看護師の役割について紹介する前に、そもそも腎臓内科ではどのような患者さんを対象としているのかということについて紹介します。

職場や学校の健康診断、もしくは病院などの医療機関を受診して採取した尿検査でタンパクや糖、血尿などで陽性であった場合、腎臓病や泌尿器系の以上の有無について追加の検査が必要となります。

このようなときにお世話になるのが腎臓内科になります。

腎臓内科では、その名前の通り腎臓に関わる病気について診断、治療を行います。

腎臓疾患では、慢性腎炎、腎盂腎炎、ネフローゼ症候群、慢性腎不全などが主な対象の疾患となります。

近年では、糖尿病や膠原病などといった全身疾患に伴う腎臓疾患の患者さんの増加がみられています。

慢性腎不全を対象としているため、透析、CAPDを行っている患者さんも対象です。

このような患者さんに対して、血液検査、尿検査、超音波検査、経静脈性腎盂造影、腎生検、透析療法、腎移植などを行います。

2.腎臓内科での看護師の役割3選を紹介

ここまでは腎臓内科での対象としている患者さんについて紹介してきました。

ここではその腎臓内科では看護師はどのような役割を果たしているのかという点について、3つに絞りそれぞれの役割について具体的に紹介します。

(1)投薬、点滴、注射、検査などの一般的な業務を行う役割

まず1つ目は、投薬、点滴、注射、検査などの一般的な業務を行う役割です。

これは腎臓内科に限った役割ではありませんが、入院し治療を行うためには欠かすことはできません。

投薬や点滴、注射などだけではなく、清潔ケアや食事介助などの日常生活の介助、ケアも行わなければなりません。

腎臓内科での検査には腎生検があります。

これは他の科では実施する機会はほとんどありません。

腎生検を行う前に患者さんに説明を行い、行った後には合併症がないかどうかについて観察していく必要があります。

(2)透析に関わる管理を行う役割

2つ目は透析に関わる管理を行う役割です。

1つ目は腎臓内科特有というわけではなく、他の診療科でも求められる役割でしたが、この透析に関わる管理というところは、腎臓内科特有の役割の1つではないでしょうか。

血液透析を実際に実施する場合には透析室があるため、透析室がその役割を担いますが、腎臓内科では血液透析や腹膜透析が導入となった患者さんへシャントの管理を指導したり、チューブの管理を指導したり、精神的なフォローを行ったりいていくことが大切な役割になります。

透析が導入となった場合、はじめからスムーズに受け入れ導入となる患者さんは多くはありません。

これは血液透析にしても、腹膜透析にしても両方に言えることです。

そのため、最初の指導というのが重要となってきます。

シャントや腹膜透析を行うチューブの管理を指導することも必要ですが、血液透析であれば週に3回通院が必要ですし、腹膜透析は1日に3.4回は操作しなければなりませんし、定期的な通院も必要です。

患者さんによっては通院することが困難であったり、管理ができない場合があるため、社会的資源も含めて、通院、管理ができるようにしていかなければなりません。

ここではソーシャルワーカーなど多職種との連携を行いながら進めていきます。

また、チューブを清潔に保たなければ腹膜炎を起こしてしまうこともあります。

日常生活において、これまでとは違う様々な制限も出てきます。

しかも、患者さん自身で管理しなければならないことが多くあるため、時間をかけながら繰り返し指導を行っていきます。

また、ここで忘れてはならないのが精神的なフォローを行うことです。

なかなか透析ということをすんなりと受け入れることができる患者さんは少ないです。

精神面が保たれなければ、受け入れ、今後も管理についても影響を及ぼすため、精神的なフォローを行うことも重要な役割の1つになります。

(3)食事制限、水分制限を含めた生活指導

最後の3つ目は食事制限、水分制限を含めた生活指導です。

食事は主にタンパク質を制限したり、カリウムの摂取を制限する必要があります。

1度機能を失った腎臓は回復することはありません。

血液透析になれば患者さんは死ぬまで一生付き合い続けなければなりません。

そのため、腎機能の低下が軽度であるときに、適切な生活指導を受け、日常生活を改善していく必要があります。

まずはこのことを患者さんに強く認識してもらうことが大切です。

タンパク質やカリウムの制限などの食事制限だけではなく、水分制限も必要となってきます。

腎機能低下が軽度であれば、逆に水分を摂取してもらうことも大切である場合がありますが、透析をすでに導入されている場合には水分を制限する必要があります。

過剰な水分摂取は腎臓だけではなく、心臓に負担をかけてしまい、心不全などの状況に陥ることがあります。

心不全を繰り返すことで予後が不良となることがあるため、透析を行っている患者さんに水分を過剰に摂取することによるリスクを説明し、患者さん自身で管理ができるようにしていくことが大切です。

他にも、喫煙や過剰な飲酒なども腎機能をより悪化させるリスクとなり得るため、患者さんから生活習慣に関する調査を行った上で、改善すべき項目に対して、直接指導を行い、改善してもらうように努めていくことは腎臓内科の看護師にとって最も重要な役割の1つと言えます。

さらには、患者さんだけではなく、患者さんの家族も含め、一緒に指導していくことが大切です。

3.まとめ

今回は腎臓内科における対象としている患者さんの特徴から、腎臓内科の看護師の役割について3つ紹介しました。

腎臓内科の看護師は、1度悪化してしまうと回復が見込めない腎臓をいかに守り、透析が導入となった場合には精神的なフォローを行いながらいかにスムーズに導入し、患者さん自身で管理ができるように指導していくことが主な役割でした。

特に透析となった場合では、患者さんとは長期的な関わりとなるため、患者さんの特徴、生活、性格などを把握しながら指導していくことが必要です。

今回は実際に経験したことをもとに具体的に紹介したことで腎臓内科の看護師の役割について具体的にイメージすることができるようになったのではないでしょうか?

紹介したことをぜひ参考にしてみてください。