看護師はシフトや夜勤のある勤務形態であるため、
「家族や友人と休みが合わないからなかなか遊ぶことができない…」
「交代の勤務だから休みが取りにくい…」
「人手不足だから、他の会社員よりも休みが少ない…」
「休日も少ないけど、有給なんてもっと少ない…」
このような現状をかかえている人が多いのではないでしょうか。
看護師は日勤や夜勤だけではなく、早出の勤務や遅出の勤務など、多くの変則的な勤務をこなさないといけないため、休みが少ないと感じている人も少なくはないでしょう。
看護師と勤務している中では、同じ部署の人の休みのことは知っていても、他の部署の人の休みを知る機会はありませんし、ましてや他の病院の人の休みを知る機会はないと思います。
だから、自分の休みが多いのか、少ないのか、また、有給はどのくらい消化できているのか分からないのが現状です。
そこで、今回は「看護師って休日は多いの?休日の現状について紹介。」っていうテーマで、看護師の休日の現状や有給について紹介していきます。
1.看護師の休日の事情について。
まずは看護師の休日の事情について紹介します。
看護師の勤務形態がシフト制であること、不規則勤務であることから、休みが少ないと感じる人も多く、そのようなイメージを持っている人も多いのではないでしょうか。
では、実際のところ、看護師は年間でどのくらいの休日があるのでしょうか?
ここでは、日本看護協会によって調査されたデータから、看護師の休日数と有給休暇の取得率について紹介します。
日本看護協会によると、
年間休日99日以下:4.8%
年間休日100日~109日:17.9%
年間休日110日~114日:15.5%
年間休日115日~119日:9.2%
年間休日120日~124日:28.5%
年間休日125日以上:24.2%
このような調査結果となっています。
全体の平均休日数は118.13日であり、看護師は年間で118日の休日があることが分かります。
一般の会社員は厚生労働省の調査の「就労条件総合調査の概要」よると労働者1人あたりの年間休日数は113.7日となっています。
この数字と比較すると、看護師は一般の会社員よりも休日数が多いということになります。
一般的なイメージとは少し違うようです。
看護師は平均で118日ですが、120日以上の休日がある看護師も52.7%と、半数以上を超えています。
夜勤明けと休日っていう勤務と聞くと一般の会社員をしている家族や友人からは「連休があってうらやましい」と言われることがありますが、そんなことは決してありません。
20代の頃は夜勤が終わってそのまま遊びになんてこともありましたが、年齢を重ねていくうちに身体がしんどくなるし、16時間以上の勤務をこなした上ではそのような気持ちになることはなくなります。
それに、夜勤中は日勤よりも少ない人数で病棟の中を回さないといけないし、緊急の患者さんが入院した場合や患者さんが急変した場合も少ない人数でこなさないといけません。
仮眠も行けるときもありますが、2時間なら2時間全部の時間を行けるときは稀です。
このような状況であるため、看護師の夜勤明け=休日という考えがあるのは少し違うなと感じています。
2.看護師の有給取得率の事情について。
では、看護師の有給取得率の現状はどうなのでしょうか?
これも日本看護協会の調査によるものですが、
年間取得率20%未満:5.3%
年間取得率20%~40%:17.9%
年間取得率40%~60%:33.3%
年間取得率60%~80%:28.0%
年間取得率80%以上:15.5%
このような結果となっています。
全体の平均の年間有給取得率は56.28%でした。
完全に有給休暇を取得している割合は少ないですが、年間取得率40%以上は全体の80%近くにのぼっています。
付与された有給休暇の半分程度は消化できている看護師が多いようです。
この結果を聞いて私は非常に驚きました。
私のところでは年間で約20日間の有給休暇が付与されており、この調査の結果によると10日間程度は消化できていることになります。
10日間も有給休暇を取得できているイメージはありません。せいぜい、5日前後です。
あとの15日間は流されてしまいます。
毎年有給休暇を5日間取得して、15日間流されるということを繰り返します。
取得率が少ないときには他の病院では買い取るっていう話を聞くこともあり、私のところでもあまりに低いときはそのような話が出ましたが買い取ることもなく、流されてそのような話も自然となくなりました。
有給休暇取得について他の会社員の人についての調査はないため、比較はできませんが、同程度くらいは取得できているのではないかという印象です。
しかし、この有給休暇取得は他の会社員みたいには自由に取得することは難しいです。
急に明日有給にするとか、明日予定ができたから休むとか、予定の仕事が終わったから休むとか、このようなことはできません。
この点で言うと看護師の有給休暇取得の自由度はないような感じがします。
年間で計画的に、しかも、他の勤務者、特に自分の同じような立場の人とはかぶらないようにとか、同じチームの人の中で何人までとか、色んな制約があるので、このような意味でも有給休暇取得の自由度は低いように感じます。
3.看護師が家族や友人と合わせにくい理由。
休日が割と多い看護師はなぜ家族や友人と合わせにくいのでしょうか。
それはこれまでも紹介しているように、看護師は不規則勤務の中で勤務していることや夜勤があるためであると考えられます。
このような勤務形態であるため、どうしても休みのスケジュールも不規則となってしまいます。
休日に出勤することも求められるため、なかなか家族や友人と休日を合わせにくい状況となります。
また、休日があっても、休日に自己学習をしなければならなかったり、研修や学習会に強制的に参加を求められることもあります。
実質、純粋な休日数がそこまで多いとも限りません。
さらには、日勤のときでも残業をしなければならなかったり、日勤が時間通りに終わってもそもそもが激務であるため、終わったらすごく疲れてしまって、休日は寝たり休んだりして過ごすということも珍しくはありません。
近年では働き方改革によって残業が減っていたり、休日の学習会がなくなったりと少しずつ休日を確保できるようになってきていますが、現時点ではまだまだ自己学習を休日にしなければならないという状況は変わりはありません。
看護師という仕事柄仕方がないことかもしれませんが、休日を取るという意味ではあまりいい仕事とは言えないかもしれません。
この理由からも看護師は家族や友人と休日が合わせにくいということになります。
4.休日が多いと言われる職場はどこ?
一般の会社員と同様に看護師も働きている勤務先により休日数が異なります。また、休日数だけではなく日曜や祝日に休めることもあります。
では、休日が多いというはどのような場所なのでしょうか?
大学病院や国立病院といった規模が大きい病院は福利厚生が手厚いため、休日数が自ずと多くなります。
また、育児休暇や介護休暇なども取得しやすくなります。
さらには、スタッフの人数も多いため、残業も少なく、シフトの調整もしやすいというメリットもあります。
日曜日や祝日に休めるのはクリニックがあります。
さらに、クリニックでは平日の午後に休みがあったりとバランスよく休むことができるのも特徴の1つです。
また、透析の病院も日曜日は休むことができます。
家族や友人と休日を合わせたいのであれば、このような病院で勤務することを選択するのもいいのかもしれません。