他の病院や病棟に転職した看護師の体験談NO3

6回目の転職先は希望とは違っていたというDさん

Dさんは、25年の看護師人生で6回の転職を経験しています。

Dさんにとって転職は慣れている反面、どの転職でも何かしら思い通りにはいかないと感じているそうです。

そうして、やはり6回目の転職でも大変な転職活動を経験したそうです。

当たり前ですが、転職活動をするにあたってまずやらなければならないのは、上司に退職を申し出ることです。

現在の師長は、Dさんがこの病院の面接を受けた時に面接官だった人でもあります。

そんなこともあって、その師長はDさんのことを全て分かっているといった言い方をいつもしていました。

そして、今回Dさんが退職したい旨を伝えると、一旦大きなため息をついてDさんにこんなことを言ったそうです。

「あなたは私とそんなに年も違わないのに、また転職するの?そんなふうに転職ばかり繰り返すのは良くないことだと思う。産婦人科の仕事は大変なことも多いと思うけれど、あと1年頑張って見たら?そうしたら今とは違うものが見えてくるはずです」と。

Dさんは師長がなぜそんなことを言ったのか、全く理解できなかったそうです。

大変なことが多い職場と分かっているのなら、なぜDさんをその職場に配属したのかが疑問だといいます。

そんなことから、ますますその師長や病院に対して嫌悪感が強くなってしまいました。

看護師が転職する際に、転職サイトを利用する人が多くいますが、Dさんも前回利用したときに感じがよかった転職サイトに再び登録することにしました。

今回も前回担当してくれた人がいたので、その人に改めてDさんの希望する条件にあった職場を探してもらうことにしました。

Dさんは、その担当に人に現在の職場への愚痴を色々と聞いてもらい、「Dさんの希望に合った職場を紹介させていただきます」という返事をもらうことができました。

Dさんが、本当に自分のやりたいことは何だろう?と考えたとき、ひとつの診療科が浮かんだそうです。

そもそもDさんが看護師になりたいと思ったきっかけは、ニュース番組で紹介していた救急の現場を見たことからでした。

現在、40代になったDさんですが、救急で働けるチャンスは今回が最後だと思い、救急で働ける病院を希望することにしました。

過去の5回の転職では、厳しい希望を伝えても数日後には自分の希望にかなった職場を紹介してもらえることができました。

しかし、今回は1週間が経っても何の連絡もありませんでした。

年齢のこともあるし、やはり希望通りの職場は見つけることができなかったのか?と思いました。

焦っていたDさんは、担当者に直接連絡することにしました。すると、その担当者から

「申し訳ありません。救急を募集している病院自体が少ないし、さらに40代で初めての救急という条件を伝えたら断れてしまうケースが多いのです。もう少し時間をいただけないでしょうか?」

という返事が返ってきました。

信頼できる転職サイトでさえ苦戦している事がわかり、とうてい自分1人では探せないだろうと思ったそうです。

Dさんは、引き続きこのサイトで希望した条件を元に探してもらうことに決め、もう少し待ってみることにしました。

その電話から2週間経った頃、担当者からやっと連絡が来ました。

担当者によると、Dさんの住んでいるところからかなり離れている場所であるものの、希望通り救急部門の病院を紹介することができそうだと言われました。

Dさんは、転職サイトの担当者が紹介してくれた病院のことを家族に話すと、皆「自分のやりたい仕事をしたほうがいい」という答えが返ってきたことで、その病院の採用試験を受けることにしました。

そして、採用試験に合格したDさんは、無事に内定をもらうことができました。

現在の職場の師長とは、退職の話をだしてからずっとギクシャクしていました。

ですから、師長は顔を合わせるたびに「もう一度考え直したほうがいい」とか「私はあなたのことを心配している」と言われるたびに、納得がいかない気持ちになりました。

そこで、Dさんは転職先が決まったこともあり、改めて「退職します」と伝えました。

ところが師長は、ため息をつきながら「これ以上転職してもあなたには何一ついいことがないから」と言われました。

しかし、決意を固めていたDさんは、新しい職場に転職することにしました。

今回の転職についてDさんが感じたことは、転職サイトの担当者が思っていた以上に希望を叶えるために頑張ってくれたことでした。

ただ、実際に転職してみて分かったのは、自分の条件とは違うことも多かったそうです。

そして、看護師の職場というのはどこもブラックな部分があると思ったとDさんはいいます。

また、現在振り返ってみると、前の職場で師長から言われたことは、その時は反発心しか感じなかったのですが、色々と考えさせられる事柄もあったといいます。その時は、むかつくことに気をとられていて、病院の条件などには目をむける余裕がありませんでした。

振り返ってみると、給料に関する条件とか、家からの距離などを考えると、むしろ好条件が揃っていた職場だったことが分かったとDさんはいいます。

また、自分が「転職したい」という気持ちばかりが先走り、冷静に判断することができなかったことに少し後悔しているそうです。

今回のDさんの転職で、良かったことと悪かったことをまとめてみました。

良かったことは、正直あまりなかったそうです。ただ、それまではお昼にお弁当を持参するか、またはコンビニなどで買ってくるしか方法がありませんでしたが、今の職場では社員食堂があるから、便利だといいます。また、値段も安く経済的にも助かっているそうです。

悪かったことのひとつには、希望していた救急へは実際配属はされなかったことでした。

担当者からは「救急部門へ配属されるとのことです」と言われて喜んでいましたが、実際に配属された先はICUでした。

その担当者からすると、救急部門のICUへの配属だから条件にかなっていると思ったかもしれませんが、Dさんからすると不満でした。

普通なら、救急といえば救命救急センターであり、だまされたという気持ちがあったそうです。

そもそもICUの仕事はDさんにとって初めてのことであり、病院側にすれば、これまで看護師としてのキャリアがあるのだから大丈夫だろうといった判断だったのでしょう。

配属して2日目から早々に患者さんを受け持たされ、慣れない仕事に悪戦苦闘しているそうです。

しかも、周囲の同僚たちはICUの仕事を教えてくれないし、手伝ってもくれませんから、毎日が精神的に辛いとDさんはいいます。

そして、2つ目の悪い点ですが、本来は片道30分以内の通勤という条件で希望を出していましたが、結局片道1時間以上かけて満員電車に乗って通勤することになり、体力的にもかなりきついそうです。

Dさんにとって一番の条件が、「救急で働きたい」ということでしたから、通勤時間についえはそれほど重要視してなかったことが、こうした結果になってしまいました。幸い

50代に近くなった今、実家住まいで家事などをやる心配がないのですが、やはり長い通勤時間はネックになっているそうです。

とはいえ、もうすぐ50歳になる今の自分を雇ってくれるところはなさそうですから、あと1年はこの職場で頑張る気持ちだといいます。

しかし、次に転職するとすれば、ゆったりとできる介護系の仕事をしたいと思っているそうです。